3月15日 里山を使った町づくり (最終回)

小澤氏の講演を要約します。

出生率の低下は世界的に見て、職場が女性の受け入れに前向きで、男女問わず仕事と子育てが両立できる対策がとられている国の方が出生率が高い。日本も女性就業率の高い都道府県ほど、出生率が高い。

 東京圏の出生率は全国最下位だが、人口比率は28%だ。宮城・愛知・大阪・福岡は1000人以上の転入超過だが、それ以上に東京圏に若い世代が吸い上げられている。東京に吸い込まれ地域が消滅してしまう。

個人の自給自足よりは「自給圏」として考えた方が、食・エネルギーも無駄がない。太陽エネルギー、バイオマスエネルギーは「低温の熱」利用が最も効率が良い。小水力は発電に向いた自然エネルギーなので組み合わせることが重要。

FEC自給圏

Food=食  E nergy=エネルギー C are=福祉

地域を支える柱としてこの3つの自給をめざしていこう。

現在の教育システムの中では、「受験」が最終目的で、高校を卒業すると都会に出て行ってしまうのはやむを得ない。地域の資源を活用しながら、既存の教育システムとは違う、あてがいぶち、お仕着せでない学びの場をつくっていけないか。地域に大事にされて育った子は、地域を大事にする。郷土に愛されて育った子は郷土を愛するようになる。(文責 河合)

 

 

3月15日 里山を町つかった町づくり(3)

当時の参加者は26名でしたが、遠くは栃木や東京から参加してくれました。何人かは他の集会に参加予定だったけれど中止になったので、と参加してくれました。「エネルギーフェスタ」の参加者も多数見られたほか、女性や30代の初参加者も複数組参加してくれたので「みなかみプロジェクト」の新しいステージへの出発にふさわしい集いとなりました。
何年かぶり遊神館に戻ってきた館長は、ほぼ完璧な体制で迎えてくれました。一度の打ち合わせだったにもかかわらずテーブルの配置・受付の小道具まで心遣いが忍ばれました。また、担当の役場職員も事前にプロジェクターやスクリーン等を運びこんでいました。

 

「環境ジャーナリストの第一人者である小澤祥司氏です」と紹介したら「最初に名乗ったという意味では第一人者です」と笑いを誘った。

事前資料作成に多くの時間を費やしたであろう「人口減少社会で持続可能な地域をどう構想するか」のテーマが静かでかつ熱い語りで始まりました。(つづく)

3月15日 里山を使った町づくり(2)

みなかみでは、高圧の系統連系が基本的には不可能の状態にあるが、東京電力パワーグリットから「許可」の回答を得たことによりいよいよ小水力発電所建設に向けて進み始めた。
株式会社測設代表酒井千富氏(みなかみ水力電気株式会社の設立者の1人)がみなかみ町での小水力発電に向けた取り組みについて説明した。町内を流れる一級河川での2度の流量調査の結果は、平均0.3㎥/sで今後の調査に期待を持たせるに十分なものだった。今後は水位計設置のための河川専用の許可が下りる4月中旬以降に自記式水位計を設置して24時間1年間計測する。
流量観測は月2回のペースで行う。同時に流水専用申請等関係機関への提出書類が多数あるので現場での調査と同時に事務処理も膨大な量になること、また導管敷設設計のためドローンなどの活用なども報告された。(つづく)